会社員(給与所得者)であれば経理が年末調整を済ませてくれるので、原則として確定申告は不要となります。, しかし、自分自身の収入とは別に、確定申告をしなければならないときがあります。その一つが、確定申告の対象者が亡くなり相続した場合です。, 今回は、年の中途で亡くなった方の確定申告、すなわち「準確定申告」について、その方法と注意すべき点を確認していきましょう。, 本来確定申告をすべき者が、確定申告をせずに年の中途で死亡した場合、その相続人が確定申告を行う必要があります。, ただ、準確定申告は死亡者の所得を対象として相続人が行うので、通常の確定申告と比べると、以下の点で手続的な違いがあります。, 参考:e-Tax(http://www.e-tax.nta.go.jp/gaiyo/gaiyo1.htm), そのため、以下のいずれかの条件が被相続人に該当する場合に、準確定申告を行わなければなりません。, 準確定申告を行わないことでどのような問題が生じるのか、また準確定申告を行うことによる利点にはどのようなものがあるのか、準確定申告や無申告の効果についてみていきます。, 加算税とは、納付すべき税があったときに、法定の申告期限を過ぎてから(準)確定申告を行った場合の罰として課される税です。, 原則として、納付を行うべき税額の50万円までに対しては15%の、50万円を超える部分に対しては20%の割合を掛けた上で課されます。, ただし、法定申告期限から1ヵ月以内に自ら納税し、かつ期限内にきちんと申告する意思があったと認められる場合には、加算税は課されません。, 延滞税とは、法定の納付期限内に税金を完納しなかった場合や、期限後に修正があり、納税すべき額が生じた場合などに支払うべきペナルティとしての税です。, 原則として、法定納付期限の次の日から2ヵ月以内までは年に7.3%、それ以降は年に14.6%もしくは特例基準+7.3%のどちらか低いほうの割合を、納付すべき額に乗じて課されます。, 逆に、準確定申告を行うことによる利点としては、様々な所得について控除を受けられるというものが挙げられます。, 年の中途において納税者である被相続人が死亡し、その時点で配偶者が配偶者控除を受けることのできる条件を満たしていたとすれば、配偶者控除の対象となります。, この場合の要件に当たる、「配偶者の合計所得金額が38万円以下」という点に関しては、その年の1月1日~12月31日までの配偶者の所得を見積もって判定することになります。, なお、配偶者控除の対象となる配偶者が亡くなったという場合にも配偶者控除は受けられます。, ただ、その場合は1月1日~死亡日の合計所得金額で判定されるという点で違いがあります。, また、そのようにして配偶者控除を受けた者も、年末に他の納税者の扶養親族として、扶養控除を重複して受けることができます。, 相続人が被相続人の亡くなった後に支払った医療費は、準確定申告のときに医療費控除の対象とはならないので、注意が必要です。, 生命保険料、社会保険料、地震保険料控除など各種保険料控除の対象となるのは、被相続人が死亡日までに支払った保険料等の額です。, これについても被相続人が亡くなった後に相続人が保険料を支払ったとしても、準確定申告のときに保険料控除の対象とはならないので、同様に気をつける必要があります。, 準確定申告を行うにあたって必要となる書類等について確認した上で、具体的な手続の流れについてみていきましょう。, 準確定申告専用の申告書が用意されていないため、通常の確定申告書に書き加えた上で使用することとなります。, 確定申告書の種類としては申告書Aと申告書Bがあり、申告書Aには上の余白部に「準確」と、申告書Bには標題の余白部に「準確定」と、それぞれ書き加えます。, なお、申告書Aはもっぱら会社員やアルバイト、パートといった給与所得者が使用するもので、申告書Bは誰でも使用できますが、主に個人事業主が用いるものです。, 付表というのは、準確定申告書に付属して提出する書類をいい、死亡者の氏名やその税金額、相続人に関する事項、納める税金等について記入するものです。, http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/pdf/h28/01.pdf, http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/pdf/h28/02.pdf, http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/fuhyo/23.pdf, 公的年金の源泉徴収票は、翌年の1月下旬に届くのが通常であり、年の中途で死亡した被相続人については個別に年金事務所へ申請し、取り寄せる必要があります。, いずれも死亡届の提出をしておかないと作成してもらえず、また取り寄せまでは2~3ヵ月掛かることもあるため、早めの申請が求められます。, 各種保険料も被相続人によって死亡日までに支払われた額が控除対象となりますが、申告の際に控除証明書が必要となります。, 相続人が複数いる場合、連署で準確定申告を行う方法と、別個に準確定申告を行った上で他の相続人に通知する方法とがあります。, このうち、連署で準確定申告を行うという場合には、相続人の本人確認書類の提示又は写しの添付と、マイナンバーの記入を要します。, 相続人がいない場合 → 包括受遺者がいる場合は包括受遺者(いない場合は相続財産法人), 参考:税務署の所在地及び管轄区域(https://www.nta.go.jp/soshiki/kokuzeikyoku/kankatsukuiki/syozaiti.htm), https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/kisairei2015/pdf/a/18_2.pdf, https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/kisairei2015/pdf/b/07_2.pdf, また、相続人が行わなければならないことや、弁護士や税理士などの専門家に任せたほうがいいことをまとめておきます。, 相続税の申告及び納税は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヵ月以内に行うこととされています。, 準確定申告の期限である4ヵ月よりは長いですが、葬儀などで立て込んでいると短く感じられるため、注意を要します。, また、準確定申告で還付があった場合、還付金は相続財産として扱われ、納税額は相続税を計算する上で債務として扱われて控除対象となります。, 特に、給与や公的年金の源泉徴収票、保険関係の控除証明書は準備に時間が掛かることもあるので、早めに手続を行っておくとよいでしょう。, 準確定申告は相続が絡むため、特に相続人が複数いる場合は、誰がどれだけの財産を相続するのか、その結果として納税額がいくらになるのか、といった計算が困難となります。, また準確定申告は、申告期間が被相続人の死亡を知った日の次の日から4ヵ月と、かなり短いため、申告を失念してしまうと加算税や延滞税といったペナルティも生じかねません。, 逆に、申告を適切に行うことで各種控除が受けられ、税法上の特例措置の対象となる可能性もあります。, 心配な点や不安な点があるのであれば、専門家である弁護士に相談してみるとよいでしょう。, なお弁護士に準確定申告の代行を依頼する場合、事務所や個別具体的な事情によっても異なりますが、費用としては2万円~10万円程度が目安となります。, 掛かる時間としては、必要書類が一通り揃っていれば数時間で終わる場合もありますが、不足が見つかることもあるため、期限には余裕のあるうちに依頼するとよいでしょう。, 準確定申告はその性質上、被相続人の死亡後に行われる手続ですので、何かと慌ただしかったり、心理的な動揺があったりと、見落としも生じがちなものです。, 加えて、相続が絡んでくるため、相続人が複数いる場合には書類への記入なども煩雑になることがあります。, 期限も被相続人の死亡を知った日の翌日から4ヵ月以内と短いので、確実に手続を済ませたいのであれば弁護士などの専門家にご相談されるとよいでしょう。, 遺産分割・遺留分・相続放棄・遺言書作成・相続登記・相続税・成年後見などの遺産相続に関するさまざまな問題に対して、解決のお手伝いをする専門家検索サービスです。遺産相続に関する問題は人生の中でそう何回も起こる問題では無いだけに、普段から事前に対策などの意識を持つ事はなかなか無いと思います。法的な知識や専門用語も多岐に渡り、また遺産相続問題の中にも内容によっては特定の専門家でしか対応できない内容や、専門家によって費用などが大きく変わる場合があります。怪我や病気の際にその症状や場所、予算などに合わせて医者や病院を選ぶように、専門家を選ぶ際にも同様の事が言えます。「遺産相続相談窓口」では、遺産相続に関するさまざまな問題に対応できる専門家を掲載しており、サイト上で簡単に検索し、電話やメールなどでコンタクトを取る事ができます。また、遺産相続問題の注意事項や事例、専門用語の解説などサイト内で詳しく説明しており、事前に調べて少しでも知識を付けてから専門家に相談する事で、専門家からのアドバイスや相談内容が分かりやすくなり、より納得したうえで進める事ができると思います。遺産相続に関する問題でお悩みなら「遺産相続相談窓口」で最適な専門家を見つけましょう。.